国連データにみる廃プラスチック輸出入

プラスチック廃棄物の輸出入を調べてみた。

著名な政治学者Ian Bremmer氏のTwitterからヒントを得たのだが、国連の統計UN Comtradeで調べると、プラスチック廃棄物(分類上は「waste, parings and scrap of plastics 」でくず片も含まれる)の輸出が多いのは米国、ドイツ、日本(上表、量比較)。いずれも100万トンを超えている。日本の場合、2017年の廃プラスチック総排出量(一般社団法人プラスチック循環利用協会)は903万トン。このうち「埋立量」は126万トンなので、荒っぽい言い方をすると、捨てられるプラスチックのほとんど輸出されていると言える。

香港は2018年のデータでは8位だが、2017年のデータは179万トンと6倍の開きがある。数値の取り方を変えたのかもしれない。

同じプラスチック廃棄物の東南アジア各国の輸入量を、UN Comtradeのデータで比較したのが下の表。タイ、マレーシア、インドネシアと、域内先進国で輸入が多いことが分かる。量だけから言えば、日本の排出分の半分をタイが受け入れている、という具合だ。中国が2018年1月に導入した廃棄物輸入の全面規制によるあおりも、データがそろえば分かるようになるだろう。

表に記載はないが、ベトナム、カンボジア、ラオスは2012年から2013年にかけて輸入量が急増している。ベトナムは4万5千トン(計算算出)から6万7千トンで、今では15万トンに上る。カンボジアは2012年の8トンから翌年には10倍の82トン、今や650トン。ラオスは2012年の371トンから翌年は1,562トンである(2018年の方が少ない)。

合法分だけでも相当量が先進各国から排出され、そのかなりを東南アジアが受け入れている。それぞれ財政事情などはあろうが、悲惨なばかりの環境破壊や犯罪組織がらみの個別ニュースばかりを耳にしていると、「こんな取引は続くはずがない」と思う。

(Hummingbird Advisories  佐藤 剛己)