東南アジアでの持続可能な開発目標(SDG)は一部後退か

国連アジア太平洋経済社会委員会(UN ESCAP)は5月24日、「アジア太平洋SDGs進捗状況報告書」を発表した(写真はウェブサイトのスクリーンショット)。それによると、現在のペースでSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みが進むようだと、2030年に設定されているSDGsの17目標(持続可能な開発目標)はアジア太平洋地域では達成されない見通しだという。地域は5つの小区域(東・北東アジア、東南アジア、南・南西アジア、北・中央アジア、太平洋)に分かれているが、その全ての区域で達成不可能とした。

東南アジアを見ると、SDG4(質の高い教育)、SDG7(エネルギーをみんなに)、SDG9(産業と技術革新の基盤作り)では他の小区域よりも進んでいる(目標未達は変わらない)一方、SDG8 (働きがいも経済成長も)、SDG13(気候変動に具体的な対策を)、SDG16(平和と公正をすべての人に)は逆に後退し、社会・環境指標の改善に今直ぐ取り組む必要があるとした。

ドイツのNGOと国連のSustainable Development Solutions Networkによると、スウェーデン、デンマーク、フィンランドのSDG達成率トップ3さえ、すべてのSDGを達成するには、SDG12(つくる責任つかう責任)とSDG13に関してさらなる努力が必要なのだそうだ。SDGs全てを2030年までに達成するのがどれだけ難しいかがわかる。

SDG推進に欠かせないのが、各国の政治意志だ。WWF(世界自然保護基金)は今月3日、「PACT(Plastic ACTion)」というプラスチック削減キャンペーンに、シンガポールの15社の参加が決定し、それらの外食店舗270店以上が7月1日までにプラスチックストローの使用を中止すると発表した。シンガポール政府はWWFのプラスチック削減をサポートしていて、PACTを通してプラスチックの使用削減に本腰を入れる姿勢を見せたいようだ。

シンガポールのスーパーに行けば、しかし、マイバッグを持って買い物してる人はほとんど見かけない。むしろと必要以上に取って帰るのが定着しているように思える。シンガポールでもプラスチック袋を有料にと言う話もあるが、出ては消えを繰り返している。これも、政治的意志がどれだけあるかの表れだろう。

強い政治的意志を持ち、各国がSDGs達成にさらに努力を進めることを願う。

(Hummingbird Advisories 白新田 十久子)