ロヒンギャ難民問題の影で違法薬物の密輸

今月初旬、ロヒンギャ難民問題の中心地であるミャンマーのラカイン州マウンドーで、二人のミャンマー兵士が警察に逮捕された。200万錠近く(US$280万分)の「ヤバ」と呼ばれるメタンフェタミンとカフェインの合成覚醒剤をロヒンギャ弾圧のどさくさに紛れて軍用車両でバングラデシュに密輸しようとしたのである。

今回押収されたヤバの錠剤は「WY and R brands」と記され、ミャンマー東端シャン州の少数武装民族、ワ族からのものと判明。シャン州は「ワ州」、つまりワ族の州とも呼ばれ、アヘン産地としても有名である。バングラデシュでは近年、ミャンマーから密輸されるヤバが若者の間で人気で、社会問題となっている。

バングラデシュ政府はロヒンギャ難民とともに違法薬物が密輸されるのを懸念、先日もロヒンギャ難民が乗って来たボート20隻余りを、「密輸船」とみなして地元住民を雇い破壊させた。バングラデシュ当局によると、実際にボートから密売人が投げ込んだとみられる大量の違法薬物が海の中から発見された。

ラカイン州でのロヒンギャに対する弾圧による混乱により、違法薬物密輸ルートは断たれるどころかさらに活発化しているとみられる。ロヒンギャはもともと戸籍がなく足取りを掴みにくい。混乱に乗じてロヒンギャ難民を利用すれば軍や警察の取り締まりの目を盗みやすいのだろう。

ロヒンギャ弾圧・難民流入という国際社会が今最も注目している問題に加え、違法薬物の密輸の活発化はバングラデシュ政府のさらなる頭痛のタネとなっている。

(Hummingbird Advisories 白新田(しろにった) 十久子)