ミャンマーで8外国企業が大規模探鉱プロジェクト許可申請

現存する採鉱現場状況調査などのため2016年7月から2年間中止されていた採鉱ライセンスの新たな発給について、昨年7月施行の新ミャンマー採鉱法施行によって可能となり、これを受けて、これまで1661件の案件が申請されたと鉱山省地質鉱物探査局課長が今週発表した。外国企業は50万エーカー(約2025㎢)以上のエリアの大規模採掘しか許可されていないが、今のところ8社が許可申請を行った。

具体的には、South Earth Joint Ventureがマンダレーとシャン州で銅とスズ、Southern Nonferrous Metalsがシャン州でスズとタングステン、Indmar Carbonates MineralsとWuntho ResourcesとAccess Resources Asiaがそれぞれサガインで石灰岩、銅、金、Kipling Resourcesがマグウェイで金と銅とその他金属、Nittetsu Mining(日鉄鉱業)がタニンダーリでスズ、そしてFortuna Metalsがカヤー州でタングステンの採掘許可を申請している。エリアによっては、地元自治体住民との話し合いを踏まえての提言や環境評価の結果により、ライセンス許可が決定される見込み。

気になるのが、採掘開始による地元住民や環境へのインパクトだ。ミャンマーではここ20年ほどで外国企業の投資が増加する中、環境基準を無視した開発が地元住民の生活を根底から変えてしまうケースが多く見られる。マンダレー工業団地の周辺の村々もその一例だ。工場から排出される汚水で湖や川が汚染され、魚が消え、皮膚病や悪臭被害が起こっている。漁業で生活を立てていた住民は、家族を養うために安い賃金で工場で働くようになった。地元住民の訴えで地元自治体が国や企業に訴えても何十年も効果的な対策がとられていない。長い交渉の末、汚染を垂れ流している企業が廃水処理施設を建設することに合意したが、今月調査が始まったばかりで、いつ完成するのか見通しも立っていない。

世界でCSRや国連SDGsが声高に訴えられている中で、ミャンマーでも意識は高かまっているものの、開発優先感が強いのは否めない。地元自治体の環境評価や地元住民との話し合いに頼るだけでなく、企業側、特に外国企業は、主体的に地元住民や環境、そして労働者へのインパクトを十分に把握したリスク・マネジメント、問題発生時の危機管理プランが求められている。

(Hummingbird Advisories 白新田 十久子)