シンガポール、更なるエンターテイメント大国目指す

先週、シンガポールの2つのインテグレーティッド・リゾート(IR)、マリーナ・ベイ・サンズ(MBS)とリゾート・ワールド・セントーサ(RWS)が、それぞれ45億シンガポールドルづつをかけて施設拡張と新たなエンターテイメントサービスの提供をすることを発表した。2社のIR独占期間は、元々の2017年の期限が2030年までに延長される。この2社の投資で約5千人分の職が見込まれている。

すでにアジアのエンターテイメント大国と言ってもいいシンガポールだが、フィリピンや日本でのIRプロモーションに対抗すべく、更なるエンターテイメントとサービス拡充でリピーターと新規の観光客を惹きつける計画だ。各IRのプランは次の通り。

MBS:現在3つのタワーに加え、4つ目のタワーを、隣接する国有地約8エーカー(約3万2千平方メートル)を購入して建設する。デザインは引き続きMoshe Safdie氏によるもので、約1,000部屋のスカイルーフ付きタワーとなる。新タワーの目玉は15,000席のエンターテイメント劇場で、世界トップアーティストによるパフォーマンス誘致を狙っている。またMICE(Meeting, Incentive travels, Convestions and Exhibitions)のためのスペースも30−40%増やす予定だ。これらの新施設で1,500人から1,800人分の仕事(うち2/3はシンガポール国民または永住権所有者対象)が創出される計算だ。まだ計画のタイムラインは明らかにされていない。

RWS:現在所有する16万4千平方メートルの土地に様々なアトラクションを増設する。ユニバーサル・スタジオ・シンガポール(USS)では、ミニオン・パークとスーパー・ニンテンドー・ワールドを新設。また、SEA Aquarium(水族館)を現在の3倍に拡充し、Singapore Oceanarium(シンガポール海洋水族館)を建設する。さらに、セントーサ島のウォーターフロント再開発として、新しいダイニングオプション、新ホテル2軒、イブ二ング・ライト・ショー付きの37メートルの高層アトラクションを提供する予定だ。今年の年末には計画の第一弾として、Resorts World Theatreを改造して作られる海賊がテーマのレストラン兼パフォーマンススペース、「冒険ダイニングプレーハウス」がオープンする。MBSと同様にMICEも拡充し、新しい無人トランスポートシステムも導入する。年間約900万人の利用を見込んでいる。全てのアトラクションの完成は2025年頃が目標だ。

と、ここでふと思った。2025年は、大阪万博の年で、日本で初めてのIRが多分オープンしている(はず)。日本のIR、中身は全く分からないが、シンガポールのアップグレードに競り勝てるだろうか。シンガポールと日本のIRが相乗効果となり、アジアへの観光客増加の呼び水となることを願うばかりである。

(Hummingbird Advisories 白新田 十久子)