ミャンマーに米仕様のセキュリティー

要人セキュリティー会社のブラックウォーターを覚えている方も多いと思う。イラク・アフガン戦争で傭兵を使い活躍したが、一方で2007年には14人の武器を持たないイラク人を殺害しことでも知られている。そのブラックウォーター共同設立者のエリック・プリンスが香港に本部を置くFrontier Services Group (FSG)の理事及び副会長に就任した。

FSGは去年6月半ばからミャンマーで活動を始めており、すでにミャンマーで合弁会社を設立。中国、日本及びタイを含む海外からの投資家のためのセキュリティー・サービスを提供するライセンスを取得した。今年2月には、中国・西安に新しい訓練センターを作る仮契約も当局と結んだ。

興味深いことに、昨年12月に就任したFSG会長は中国CITIC GroupのChang Zhenming会長だ。CITIC Groupは、ラカイン州でチャオピュー深海港の建設・開発を主導している。ミャンマー政府は最貧困州であるラカインへの海外からの投資を呼び込もうと必死だ。FSGは、現時点でサービスを実際に提供しているか否かを明確にしない。が、ラカイン州の治安状況を考えると、需要は高いだろう。

情勢が不安定な中で起こりがちなのが、セキュリティーの名の下での人権侵害、そしてイラクで起こったような誤った対応だ。同様のことがミャンマーでは起こらないとは言い切れないが、商機があるからこそFSGも進出したのだろう。今後の同社のミャンマーでの活動が注目される。

(Hummingbird Advisories 白新田 十久子)