外国人労働者を巡る日本のあれこれ

日本の外国人労働者受け入れに関係するニュースが、2本目についた。14日、千葉県がベトナム政府と新たな覚書を締結し、ベトナム人介護人財の受け入れ体制と教育面の充実を図るという発表があった。同県はかねてから外国人労働者受け入れに積極的で、人を採用する流れがスムースにできているのだろう。同じ日には一方、東京福祉大学(東京・池袋など)から1年間で2700人の留学生のうち700人が行方不明になっているとの報道があった(「研究生」資格での入学で、やはりベトナム人が多いらしい)。留学生がいなくなる事件も、ここ数年明らかになるケースが増えている。

日本の外国人労働者受け入れはいびつだ。根幹の一つ、「外国人技能実習制度」の本来の目的は「開発途上国等の経済発展を担う『人づくり』に協力する」(厚生労働省)ことである。が、昨今のコンビニを見れば分かる通り、企業側にとり労働者確保の方便となっているのはご存知の通り。日弁連からは長らく批判されているし、アジア各国の移民事情に詳しい米国人弁護士も「外国人労働者受け入れのバックドアに過ぎない」と明確だ。

出す側と受け入れ側での同床異夢という側面もありそうだ。ベトナムの場合、「2人っ子政策」のために現在の合計特殊出生率は2を切っている。若年人口は急速に減少し、若手人財を積極的に外へ輩出する余裕はない。受け入れを打診する日本の某自治体に対し、労働・傷病軍人・社会事業省は「こちらから人を出す余裕はほとんどない。見返りがなければ意味がない」と一蹴したという話も聞いた。千葉県のニュースを伝える記事の中でも、同省は「日本で技能を身につけて、帰国後に活躍してくれることを期待したい」とコメントしている。

日本に入る外国人労働者個人の本当の狙い、間を取り持つエージェントの皮算用、日本国内で発生する痛ましい事件などをかけ合わせると、日本の制度はとても現実をサポートしているとは言えない。

(Hummingbird Advisories  佐藤 剛己)