犯罪の輸出

フィリピン・マニラ近郊の都市カヴィーテで2月3日夕刻、中国系マフィアのアジトが当局から急襲され、銃撃で中国人マフィア2人が死亡、メタンフェタミン(通称Shabu)274キロが押収された。推定価格は19億ペソ(約38億円)という。麻薬捜査を担当するPhilippine Drug Enforcement Agency(PDEA)がおとり捜査で接近したところ、気づかれた末の銃撃戦だったらしい(写真は別事例)。

死亡した2人は中国・福建省籍の中国人マフィア。大量の麻薬は国外(記事では特定されないが、大陸側からと読める)から「mother ship 」と呼ばれる大型船に積まれ、南シナ海公海上で瀬取りのような格好で積み替えられる。その後、首都マニラ南側でマニラ湾に面しカヴィーテ・タンザに下されたという。当局は、タイ、ミャンマー、ラオスが接するメコン川上流「ゴールデン・トライアングル」の麻薬生産地につながる、中国系マフィアによる一大ネットワークが背後にあると見ている。

中国系マフィアの「国際」犯罪は近年目立っている。1月には米FBIが、米国やカナダ、豪州など20都市以上で売春ネットワークを形成していた中国系シンジケートを摘発、6人以上を逮捕した。少なくとも1000人以上の中国人売春婦(100人以上は未成年)を雇っていたという。

社会が国際化すれば犯罪も国際化する。ただ、中国の場合は規模が大きい。ファーウエイを巡る情報セキュリティの懸念、中国実業家の黄向墨氏の豪州政治干渉による国外追放などあらゆる面で、「中国リスク」は間違いなくビジネスに影を落としている。

(Hummingbird Advisories  佐藤 剛己)