シンガポール総選挙は意外と近い?

2021年4月までに実施予定のシンガポール総選挙を前に、今月選挙人名簿が一斉に更改される。政府選挙局が2月1日、発表した。投票資格のある国民は2月中、自身の登録状況を確認することができる。今回は、マレーシアと領有権を巡り争っていたペドラ・ブランカ(シンガポールの44キロ東にある岩礁、2018年に事実上シンガポールの領有権が確定)を、本島の東海岸選挙区に含むことなど、一部で選挙区改定もあった。が、何より巷で話題になっているのは、なぜこの時期の選挙人名簿改定か、である。

前回総選挙があったのは2015年9月11日。直前の選挙人名簿改定は同年2月だった。当時は、次期選挙の期限が2017年1月だったことから「前倒し選挙か?」の憶測が飛び交う中、大学教授でさえ「すぐに選挙になるとは思わない」とコメントしていた。結局は名簿見直しの7か月後に選挙が実施された。実はリー・シェンロン首相も昨年、総選挙の2019年実施の可能性を匂わせている

選挙時期の予測が好まれるのは洋の東西を問わないが、シンガポールの場合、背景に社会多様化の影響がありそうだ。建国から50年以上経って国は豊かになり、同時に人々の意見も多様化した。今年1月には、20年以上に渡りPAPの議員だったTan Cheng Bock氏がthe Progress Singapore Partyを結成し、野党統合を主張。ここに、首相の実弟リー・シェンヤン氏が支持を表明した。米中貿易戦争がシンガポール経済へ与える影響も懸念される中、現政権の舵取りに注目が集まりそうだ。

(Hummingbird Advisories  佐藤 剛己、写真は2017年8月9日のナショナル・デー・パレードから)