マレーシア、国家腐敗防止計画(NACP)始動

マレーシア政府は1月29日、5年間の国家腐敗防止計画(National Anti-Corruption Plan、NACP)に着手した。マレーシアの「汚職文化」を是正し、2023年までに汚職のないマレーシアを目指す。ナジブ前政権下での1MDBに関わる汚職は有名だが、それ以前から、遡ると第一次マハティール政権時代も、「マレーシアは汚職に寛容な国」(日系企業)だった。しかし、国民の汚職に関する知識・認識が高まり、1MDB事件で国のトップが汚職で荒稼ぎをするという現実を目の当たりにした今、マレーシアを腐敗防止の国際基準を満たす国にする絶好の機会である。

NACPは過去の汚職を罰するためではなく、現在の政権及び政府の高官職にある者を対象とし、将来起こり得る汚職を防止するためのもの。22の戦略と115の多岐にわたるイニシアチブは、政治、公共調達、法執行、公共部門管理、司法、企業統治の6主要部門に分かれている。中でも、まずは政府高官ポストの決定プロセスの見直し、政治資金に関する新たな法律の作成、政治家及び高官にある官僚の資産公表を義務づけるとした

政治・選挙に関する項目では、

  • 選挙管理委員会に選挙資金の定義、使われ方、資金額の制限について1年以内に見直しを行うことを義務付け
  • 連邦憲法や州憲法の修正を行い、首相、大臣、知事の任期を制限
  • ロビイング、「贈り物」の授受、饗応とその支払いなどの項目を含む政治資金に関する新しい法律の導入
  • 政治家や影響力のある人が政府内の人事に干渉しない措置を取る

などの具体的な取り組みが含まれている。今後1年の間に首相府、財務省、公共サービス省がこれらの項目を実現することになっている。

マハティール首相があと何年国をリードして行くかは定かでない。連立政権への国内信任も低下しつつある。が、今回のNACP始動がマレーシアの汚職文化を撲滅するきっかけとなり、その取り組みが続くことを切に願う。

(Hummingbird Advisories 白新田 十久子)