民主主義の成績表(2018年版)

英国紙The Economistのリサーチ部門The Economist Intelligence Unit(EIU)が今朝、2018年版「Democracy Index 2018」を公表した。今年で11回目、対象は世界165か国である。民主主義の進展度合いは、間接的にビジネス環境の透明度をある程度反映しているという点で、Transparency InternationalのCPIと似ている。許認可に絡んで「袖の下」がどの程度求められるか、弁護士は機能するか、闊達なビジネス議論がdekiruka,といった具合で現場に影響が出る。

インデックス地域版によると、アジア(対象27か国)は次のようになっている。上位ランキングとなったニュージーランド、オーストラリア、韓国、日本と、東南アジア8か国(ベトナムとブルネイは対象外)でまとめた。

  • (国名、10点満点スコア、アジア太平洋ランキング、世界ランキングの順)。
  • NZ、9.26、1位、4位
  • 豪州、9.09、2位、9位
  • 韓国、8.00、3位、21位
  • 日本、7.99、4位、22位
  • マレーシア、6.88、8位、52位
  • フィリピン、6.71、9位、53位
  • インドネシア、6.39、11位、65位
  • シンガポール、6.38、12位、66位
  • タイ、4.63、20位、106位
  • ミャンマー、3.83、22位、118位
  • カンボジア、3.59、23位、125位
  • ラオス、2.37、26位、151位

今年大統領選挙を迎えるインドネシアについてインデックスは、「前回選挙時に比べてIndentity Politicsが国内政治の主要ファクターになり、改革派やリベラル候補者は苦戦するだろう」と見立てる。カンボジアに至っては昨年までの選挙戦を「rigged elections」と断じた。一方、マレーシアが高いのは、昨年政権交代が起きたことがスコアに反映されたため。

シンガポールのスコアが低いのが意外に思われるかもしれない。スコアを導くいくつかのサブスコアの中に、選挙制度と多党制浸透を測る項目があるが、シンガポールのそれは「4.33」と、ミャンマー(3.67)に次いで低かったことが影響した。一方、フィリピンのスコアが高いのは、この選挙サブスコアが「9.17」と、日本の数字(8.75)より高く、韓国と同程度に評価されたことによる。

インデックスはまた、何らかの形で民主主義と呼べる政治体制下に住む人々の数が、2017年の世界人口比49.3%だったのに対し、2018年は47.7%と1.6%ポイント減少。一方、女性の政治参加が各国で目立ってきたと分析している。

(Hummingbird Advisories  佐藤 剛己)