中国急傾斜のカンボジア、日系ビジネスには向かい風

カンボジアの米国離反、中国接近が、メディアの扱いからも目に見えて明らかになってきた。

反政府的英字紙「カンボジアデイリー」が、24年の歴史に幕を閉じたのが9月4日。閉鎖の理由は、当局から掛けられた630万米ドルの脱税容疑。新聞社は否定するが、対抗する術はない。地元筋は「脱税を持ち出すほどカンボジア政府は策に長けていたとは言えず、第三国の圧力の可能性がある」と言う。

同紙だけではない。8月だけでもNGOのNational Democratic Instituteの事務所(NDI所長はオルブライト・元米国務長官) 、クメール語ラジオ放送のMaha Nokorと Voice of Democracyも閉鎖を命じられた。Radio Free Asia、Voice of Americaも窮地に立たされている。

一方で9月27日に政府は、中国企業と共同で「犯罪取り締まりや政府の成果に注力した」テレビ局の開設を発表した。NICE TVと呼ばれるテレビ局には、300万米ドルで建設された7階建てビルに300人のスタッフを擁している。

公知になる情報に偏りが出れば、投資リスク判断が難しくなるばかりか、投資してからの困難も増えるばかり。ビジネスにとって向かい風が強くなっている。

(Hummingbird Advisories CEO、佐藤剛己)