露製SNSに犯行声明を出したアラカン軍

自治権拡大を目指すミャンマー・ラカイン州で、喉に刺さった小骨のような情報を見つけた。

ミャンマー西部のラカイン州で新年に入って4日、仏教徒のラカイン族の武装集団「アラカン軍」がバングラデッシュとの国境警備にあたる警察署を襲撃、警察官13人が死亡する事件が起きた。アラカン軍も3人が死亡した(当初の「Rakhine Buddhist rebels」との報道に対して「アラカン軍は仏教徒集団ではない」という批判が噴出、その後の報道からはBuddhistがかなり削除された)。その後、政府側が「アラカン軍は(イスラム教徒ロヒンギャによる)Arakan Rohingya Salvation Army (ARSA)と支配地に関する合意に至るという、自治行為の拡大をした」と非難。反論するアラカン軍、ARSA双方含めて非難の応酬になっている。

ラカイン族は、長年に渡り自治権拡大を目指して国軍と衝突。アラカン軍と政府軍の対立は、最近は2018年12月に入り目立っていた。西端をバングラデシュと接する同州にはイスラム教を信奉するロヒンギャも多く、こちらも対立・内紛の火種になっている(写真はバングラデシュ側へ避難したロヒンギャ難民、中坪央暁氏提供)。

ここで「小骨」と言うのは、一部報道が伝えた、アラカン軍は4日の犯行声明をロシアのソーシャル・ネットワーク・サービスに出したというものである。ロシアのSNSというとVK、Odnoklasnikiなどがある。報道では特定されていないが、同州でロヒンギャ虐殺に関わったとしてフェイスブックのアカウントを昨年9月に抹消されたミャンマー軍Senior GeneralのMin Aung Hlaing氏は、VKにもアカウントを持ち、こちらも削除されたが、直前まで37,000人のフォロワーがいた。

ミャンマーではロシア製SNSは珍しくない。しかし、地方軍がロシアのSNSに犯行声明を出すとなるという事実をどう受け止めればいいのか。年末に続いたフランス・パリのデモや暴動も、ロシア製メディアや偽SNSによる扇動が相応に影響したとの分析が、早くも出ている。そもそもロシア軍とミャンマー軍は近い関係にある。ラカイン州の政府の関係に合わせ、ミャンマーとロシアの関係進展も注目に値しそうだ。

(Hummingbird Advisories  佐藤  剛己)