ベトナムにおける土地取引リスク

ホーチミン市の一等地が過去の不正で開発できないままになっている。国から払い下げを受けた直接の当事者から転売を受けた投資家である食品大手キドグループは、損失が膨らんでいるだけでなく土地の回収のリスクも抱えている。

1区レズアン通りにある5,000平米の国有地は、2007年に首相決定で複合開発が決まった。同地を利用する「ラベニュー」プロジェクトの開発主体として、ホーチミン市は、市住宅取引管理社と商工省系4社が50%ずつ出資する合弁会社の設立を認可した。2011年にラベニュー計画は土地使用権を与えられたが、商工省系4社は2010年に既にキンドー投資(現キド投資)に株式を売却、2000億ドン(10億円)の売却益を得ていた。

政府査察部は2016年になって、ラベニューの用地が入札を経ずに十分な資金力がない投資家に引き渡されたことなどを問題視し、当時の「グエン・タイン・タイ市人民副委員長に直接的な責任がある」と結論付け、タイ氏は今年12月に逮捕された。

一連の不祥事により、ラベニュー用地は駐車場として利用されたままで開発が進んでいない。ホーチミン市は事件の裁判が終結後、不正に引き渡された土地の扱いを決める。

あおりを食ってっいるのがキドで、1870億ドン(50億円)を投資した土地をいつ開発できるのか、そもそも開発自体をできるのかも定まらない。さらにラベニューの持ち分の価値は最新の決算報告書によれば、150億ドン(7,000万円)目減りしている。

(ベトナムウオッチャー 杜明英)