2018年の5大不正事案、マレーシア1MDBスキャンダルでの首相逮捕を選出(ACFE)

公認不正検査士(Certified Fraud Examiner)という業界資格を発行し、ビジネス不正と戦う世界的な団体The Association of Certified Fraud Examiner(ACFE、本部 米テキサス州)がこのほど、2018年の5大不正事案を発表。その5位にマレーシアのナジブ元首相が1MDBを巡るスキャンダルで逮捕された案件を選定した。1ー4位(米国、インドなど)は1MDBスキャンダルよりも被害額は高額だが、政治家が中心になったのはマレーシアの案件だけだった。

このスキャンダルの「受賞」理由としてACFEは、「(政府系ファンド)1MDBが絡んだ数10億ドル規模の公金横領により、現職だったナジブ首相が5月の選挙で退陣した。結果、1957年の独立以来国の舵取りをしてきたBarisan Nsionalが初めて政権の座から降りたことは、大変な驚き」とした。スキャンダルを図解するチャート(写真、ACFE本部提供)には、横領資金の受益者とされるハリウッド俳優レオナルド・デカプリオ氏も組み込まれている。

日本で公認不正検査士というと、社内の不正検査・調査を手がけることに注目が集まるが、途上国で社会健全化のための不正対策教育を進めたり、国家公務員が絡む贈収賄にメスを入れたりと、世界的には多彩な活動をしている。筆者は資格取得10年になるが、この11月、シンガポールACFE事務局のVice Presidentを拝命した。大役ではあるが、これを機にACFEの幅広い活動も紹介していきたい。

(Hummingbird Advisories  佐藤 剛己)