カンボジア:EU制裁を恐れ、態度軟化か

欧米の制裁警告に対して強気な姿勢を見せていたカンボジアが、先月EUが正式に特恵関税制度をめぐって「武器以外すべて」に優遇していた制度(EBA)の撤廃検討に入ったことで、態度の軟化を見せ始めた

カンボジア外務省は今週月曜日に「民主主義と法の秩序のさらなる促進のため、カンボジア議会は、政治に関わることを禁じられた個人が政治活動を再開できるように、法的条項を再検討する」と発表。翌日には、ソー・ケーン内務大臣が、2017年9月に政府から閉鎖を余儀なくされ、その後「外国のために不法に情報を集めた」として2人の記者が逮捕されたRadio Free Asia (RFA)を、「自身で閉鎖を決めただけ。プノンペン事務所の再設立をいつでも歓迎する」とした。未払いの税金があるとして昨年9月に閉鎖に追い込んだカンボジア・デイリーに関しては、「カンボジアに戻り、税金を支払うことに合意するなら、オペレーションを再開する十分な権利がある」とした。

EBA制度の下、武器関連以外を無税・無枠でEUに輸出しているカンボジアだが、もし制度の撤廃が決まれば、12か月以内にEUへの輸出品全てが課税対象になる。EUはカンボジアの輸出総額の半分以上を占め、そのダメージの大きさは計り知れない。そこで今回のような態度軟化のコメントを出したと推測される。

果たして、言葉だけではなく、カンボジア政府が実行するのか。政府の「有言実行」を信じる人は、特に独立メディアや政府に批判的なグループの中にはほとんどいない。EUの検討期間は6か月。この間、「民主主義と法の秩序のさらなる促進」する成果を、カンボジア政府は出せるのか。

(Hummingbird Advisories  白新田 十久子)