尼・馬 領海問題解決へ踏み出す

今月半ば、インドネシアとマレーシアの外相がマレーシアのマラッカで34回目の領海に関するテクニカル会合を開催し、13年間と言う長い交渉の末、スラウェシ海とマラッカ海峡南部の領海問題について、最終打開案に合意するという偉業を成し遂げた。海でも陸でも隣り同士の両国は、昔からそんなに仲が良いわけではなく、東南アジアの「日本と韓国」と揶揄されることもある(写真はボルネオ島で従軍するイギリス軍、撮影時期不詳、英国Imperial War Museum所蔵)。領海問題でも互いを信頼することができず、なかなか突破口も見出せずという中、やっと解決への道筋が開けたのである。

両国はスラウェシ海における領海の境界とマラッカ海峡南部の暫定的領海境界について2つの共同テクニカル提言で領海境界画定を発表した。この2つの他に、北カリマンタン・サバ地域東部には3つの未解決境界問題(Outstanding Boundaries Problems、OBPs)が存在するが、今回の合意ではそれらも迅速に解決に向け交渉するとし、さらに南部の他のOBPsに関しても交渉を始めるとした。

昨今東南アジアを取り巻く環境が変化し、特にインドネシアとマレーシアは経済的にも大国として地域を牽引するようになった。宗教上も相通じる両国、マハティール首相の下でマレーシアが国際政治的にも力を発揮する中、お互いを信頼し前に進むという機運が生まれたと推測する。また、中国の影響力が地域で増す中、両大国はいがみ合うことよりも協力して前に進むことを選んだ証とも言える。

(Hummingbird Advisories 白新田 十久子)